Japanese
(i)
16 また譬を語りて言ひ給ふ『ある富める人、その畑豐に實りたれば、
17 心の中に議りて言ふ「われ如何にせん、我が作物を藏めおく處なし」
18 遂に言ふ「われ斯く爲さん、わが倉を毀ち、更に大なるものを建てて、其處にわが穀物および善き物をことごとく藏めん。
19 かくてわが靈魂に言はん、靈魂よ、多年を過すに足る多くの善き物を貯へたれば、安んぜよ、飮食せよ、樂しめよ」
20 然るに神かれに「愚なる者よ、今宵なんぢの靈魂とらるべし、さらば汝の備へたる物は、誰がものとなるべきぞ」と言ひ給へり。
21 己のために財を貯へ、神に對して富まぬ者は斯くのごとし』