Japanese(i)
5 彼らは先だちゆき、トロアスにて我らを待てり。 6 我らは除酵祭の後ピリピより船出し、五日にしてトロアスに著き、彼らの許に到りて七日のあひだ留れり。 7 一週の首の日われらパンを擘かんとて集りしが、パウロ明日いで立たんとて彼等とかたり、夜半まで語り續けたり。 8 集りたる高樓には多くの燈火ありき。 9 ここにユテコといふ若者窓に倚りて坐しゐたるが、甚く眠氣ざすほどに、パウロの語ること愈々久しくなりたれば、遂に熟睡して三階より落つ。これを扶け起したるに、はや死にたり。 10 パウロ降りて其の上に伏し、かき抱きて言ふ『なんぢら騷ぐな、生命はなほ内にあり』 11 乃ち復のぼりてパンを擘き、食してのち久しく語りあひ、夜明に至り遂に出でたてり。 12 人々かの若者の活きたるを連れきたり、甚く慰藉を得たり。