Japanese
(i)
37 次の日、山より下りたるに、大なる群衆イエスを迎ふ。
38 視よ、群衆のうちの或人さけびて言ふ『師よ、願はくは我が子を顧みたまへ、之は我が獨子なり。
39 視よ、靈の憑くときは俄に叫ぶ、痙攣けて沫をふかせ、甚く害ひ、漸くにして離るるなり。
40 御弟子たちに之を逐ひ出すことを請ひたれど、能はざりき』
41 イエス答へて言ひ給ふ『ああ信なき曲れる代なる哉、われ何時まで汝らと偕にをりて、汝らを忍ばん。汝の子をここに連れ來れ』
42 乃ち來るとき、惡鬼これを打ち倒し、甚く痙攣けさせたり。イエス穢れし靈を禁め、子を醫して、その父に付したまふ。